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創業110年 オカモトヤ、コロナのピンチをチャンスに!全国のお客様に会いに行く文具の移動販売「ヤング号」を展開
2022年01月05日

㈱オカモトヤ(鈴木眞一郎社長:東京都港区虎ノ門1ー1ー24)は、1912年に設立された「鈴木紙文具店」を発祥とし創業110年を迎えた。

創業の地と創業時のビジネスを大切に、時代の変化に柔軟に対応。ペン一本からオフィス空間構築まで、オフィスに必要なすべての業務を提供している。

同社のある虎ノ門の地が大変革を迎える2023年に向け、2019年2月に店舗をリニュアル。小売部の店舗には、万年筆、ボールペン、インクが300種類以上揃う。

以前は、地元企業のビジネスマンが事務用品を求め訪れる姿が多かった。リニュアル後は、「TONO&LIMS」のインクを今までイベントでしか購入できなかったが、初めて店舗で展開し全商品をラインナップするなどインクに力を入れた。インクはサイズ感と購入しやすい価格という事を意識し売れ筋に。ほかにもガラスペンも作家の作品、紙製品を増やした事で趣向性の高いお客様が増え裾野を広げることができた。

来店するお客様は、時間かけて、じっくり試し書。自分のお気に入りを見つけるため、なかには3時間滞在する方もいる。

また、店舗周辺には、外資系企業や官公庁も多く『グリーティングカード』『のし袋』が売れている。これからクリスマス・ニューイヤーに向けて、まとめ買いをする方が多い。

小売部の担当者は「コロナ禍で、なかなか人と会う事のできない時期だからこそ、今まで以上にカードの需要が高まっています。メールでは味気ないと感じる人が、手書きの温かみに惹かれ人とのコミュニケーションが取れるカード、レター、便箋を求めているようです」と話す。

さらに2021年には『文具の移動販売』に挑戦するためクラウドファンディングで車体購入の支援を募り、目標達成率180%達成。この移動販売車はかつての自社ブランド「ヤング」から名前をもらい「ヤング号」と名付けられた。

まるで、昔の魚や野菜を売る行商を思わす移動販売。きっかけは、やはりコロナ。2020年3月緊急事態宣言の発令を受け、そこから2か月間、お店を休業。近隣企業でもリモートワークが増え、出社する人が少なく、近くの繁華街・新橋も人出が50%ほどに落ち込んだ。

4月末にユーザーの要望から今まで無かったオンラインショップを立ち上げた。ゴールデンウィークには「TONO&LIMS」と一緒にオンラインイベントを行ったところ、全国のお客様と繋がりができた。

するとお客様から『イベント開催の要望』や、『東京のお店に行きたいけど、行けない』という声が上がった。ソーシャルディスタンスが保てる、広い会場を借りるのも資金が必要。さらに当時、感染者数も増え、人を呼ぶ事自体も憚られる状況になっていた。

だったら逆に全国のお客様のところに『自分たちが会いに行こう』と、クラウドファンディングとキャラバンが結びついたという。支援した方にとっても、自分たちも立ち上げに参加できたという思いからより強い繋がりができた。

担当者は「うちにとっては、コロナのピンチがチャンスになった」と話す。

今までにキヤバンは、静岡県富士市・埼玉県坂戸市・新潟県南魚沼市・山形県上山市を巡った。場所の選定は公募やオファー。第1回目の静岡は、定年した元社員の方に会いに行きたいと考えていたら、たまたま応募があり決まったという。

販売する商品については、店舗のコンセプト「書くことを世の中に広めよう」に沿った、インクやガラスペン、紙製品など『書くもの』が中心。お客様もキャラバンでしか買えない限定商品を求めてやってくる。

また、巡る先によって客層が異なるので、場所に合わせ商品も変える。新潟の池田記念美術館で開催したときは、子どもが多いと聞き、子ども達が購入しやすい商品を中心にした。

それ以外にも10月に、北海道の大丸藤井セントラル㈱で人気の定期イベント、インクマーケットに合わせポップアップストアにもチャレンジし認知度を伸ばしている。

コロナ前、お店に訪れた外国人のお客様が、ボールペンを試し書きし、スペックとクオリティの高さに感激。それが100円で購入できると知ると驚いていたという。それを見た担当者の中にある思いが湧いた。 

担当者は今後の展望について「海外で日本の優れた文具を多くの人に知ってもらいたい。その為にもヤング号で海外を巡り、行商という日本の文化と共に伝えたい。それができるのは110年の時をかけ積み上げてきた信頼・実績のあるオカモトヤだからこそ。それを実現するのが夢であり、目標です」。

最終的には、『世界の人たちに、オカモトヤ=日本の文具・文化を知ってもらいたい』と意欲をみせた。

 

オカモトヤ(鈴木眞一郎社長:東京都港区虎ノ門1ー1ー24)は、1912年に設立された「鈴木紙文具店」を発祥とし創業110年を迎えた
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「TONO&LIMS」インクも全商品ラインナップなど、300種類以上のインクが試し書きできる
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店舗周辺には、外資系企業や官公庁も多く『グリーティングカード』『のし袋』も売れ筋。そのため豊富な品揃を心掛けている
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選びやすい鉛筆・色鉛筆 売場
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地元企業のビジネスマンが事務用品を求め訪れる
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