オカモトヤ、「働くひと」のミカタ。健康経営とフェムテックにフォーカスしたオフィスづくり
2022年07月29日

創業110年を迎えた㈱オカモトヤは、『働くひと』のミカタとして、お客様にワンストップでサービスを提供するオフィス専門商社。

オフィス施工年間リニューアルは500件実施。

2017年に「ＩＳＭＳ」セキュリティマネージメントシステムを認証取得、テレワークができる環境づくりを構築した。

2018年に社の働き方改革の具現化をリアルにお客様に体験してもらう場としてライブオフィス「ＯＡＣＩＳ」を構築。約100坪の規模に親近感とリアリティを持たせリニューアルを検討されている企業から好評を得ている。

2021年、2022年「健康経営優良法人ブライト５００」を二年連続で中小企業部門に認定。

また、これからの事業展開については、コロナウイルス感染症の拡大で働き方への影響から見えてきた課題は三つ。①会社でなければ仕事ができないという概念の変化。②コミュニケーションの取り方。③オフィスの在り方の変化を指摘した。

5月18日から22日まで催した、オフィスの今と未来を知ることができるオンライン展示会「ＯｆｆｉｃｅＴｒｉｐ　Ｗｏｍｅｎｓ　Ｗｅｅｋ」では、「働く女性」のミカタにフォーカス。

2022年は多様性元年といわれ、女性活躍推進法の改定や、男性の育児休業取得率の向上を目指し「改正育児・介護休業法」が段階的に試行される。また「不妊治療の保険適用」もスタート。企業、個人においても、どのように進めていくか課題もある。

同イベントは、性差に関係なく働きやすい環境を作るための知識を、フェムテック（女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる商品やサービス）市場や医学の最前線で活躍する10名の講師たちから学ぶもの。

5月18日のトークショーでは、ファシリテーターとして同社・鈴木美樹子専務取締役、日本のフェムテック業界の最前線で活躍するｆｅｒｍａｔａ㈱中村寛子ＣＣＯと、誰もが働きやすい最適なオフィス空間と働き方を提案する、㈱オカムラ・ワークデザイン研究所の森田舞所長が登壇。

「働き方の今とこれから」をテーマに、現代日本における働き方の課題や今後、女性ヘルスケア業界の最前線と今後の展望などについて意見を交わした。

鈴木専務=女性の健康課題でどんな悩みが増え、解決策の事例などあれば教えてください。

中村ＣＣＯ=今はまだ健康課題で取上げられるのは多いのは月経問題。ほかにも二つ。一つは産後うつ＆職場復帰うつ。産後うつは、企業も施策を整えているが、職場復帰うつは一カ月後から変化がみられる人もあり、それによって離職率が増える。もう一つは、更年期。日本企業で女性管理職のメインの年齢層40代、50代が更年期とかぶり、症状によっては管理職を断っているケースも。最近では、男性更年期もピックアップされている。それに対して誰かに相談いいのかわからないとう声が多い。ワークショップでも、生々しい意見もあり、自分事化しやすい。それに対して医療従者、専門的な意見が大切で、そこからどうしていくかということ。

森田所長=コミュニケーションの取り方も課題。最近のキーワードは『行きたくなるオフィス』。ハイブリットワークになり在宅でも仕事がで、出社した方がコミュニケーションを取れると思っていても、在宅の方がいい方もいます。その中で経営者は『自発的に行きたくなるオフィス』を具現化して欲しいという思いも。

中村ＣＣＯ=企業問題の聞き取りだと九九％の企業が何もないと言われます。女性の月経についても「痛くて当たり前」「辛くて当たり前」と自分の中で閉じ込めてしまう。まずは、従業員のウエルネス施策を見直するタイミング。また、企業内でもキャリアップを望む人や、そうでない人。そしてウエルネスを軸としたキャリアを積みたい人もいる。

森田所長=悩みを言語化できない、私にも実感はあります。そのなかでオカムラが提案しているのが地球環境、健康、ダイバシティもキーワード「エシカルワークスタイル」。なかには悩みを自分が表明しても相手は受け取りたくないケース、話したくないというケースもある。そこをもう少し大きく捉えていくこと。

中村ＣＣＯ=人生100年と言われるなか、今のウエルネス課題は更年期から老年期の60才過ぎで止まっている。そこから先の課題を研究し、長いキャリアを自分らしく働くためのウエルネスの課題は何なのかを考えていく必要がある。

最後に鈴木専務は「健康も働き方もそれぞれ。介護、育児をしながらなどハードルもたくさんある。事前に健康課題を知る事、そしてモヤモヤを話しやすい環境づくり。企業として従業員のニーズに耳を傾けていくことが大切」と述べた。

また、同社では今後、顧客だけでなく、社会にも意義のある事業に取り組み、実践や事例を展開していく方針だ。その皮切りに『働くを楽しく。』をテーマに、ＩＣＴツール等を取り入れリニューアルしたライブオフィス「ＯＡＣＩＳ」も初公開した。