カシオ計算機 高校教員向けオリジナルの試験問題や補助教材が作成できる新ツール『Q.Bank』
2025年04月18日
カシオ計算機㈱は、2024年5月子会社になった㈱Libryと4月10日、東京科学大学田町キャンパスで、新サービス『Libryプリント作成ツールQ.Bank』を2026年3月から提供を開始すると発表した。
新サービスは高等学校の数学問題をクラウド上で選択・編集し、試験問題や補助教材を作成できる。教科書を発行する実教出版㈱、㈱新興出版社啓林館、㈱第一学習社、東京書籍㈱の4社の問題提供が決定している。これによりデジタル時代の個別最適な学びと先生の働き方改革を同時に実現する。
昨今、2019年12月に文部科学省が提唱した「GIGAスクール構想」やCOVID―19の影響により、急速に教育のICT化が進んできた。今年2月に同省がデジタル教科書を正式な教科書として2030年度から使用する方針を掲げ、2026年4月に高等学校の教科書が4年に一度の改訂時期を迎えるなど、教育に必要不可欠な教科書でも今後改革が実施される。
同社の2024年3月期の売上高2688億円のうち教育事業の売上高構成比は618億円で全体の約23%、約4分の1を占める。この教育事業の展開国はおよそ100カ国以上。数学ツール「関数電卓」は世界年間2200万台。語学ツール「電子辞書」は日本で20年連続、販売台数ナンバー1。日本の子供たちの語学学習に大きく貢献してきた。
カシオ計算機㈱教育BU事業部長佐藤智昭氏は「我々の製品づくりは、開発者が世界の教育現場に出向き直接対話し、それを活かしている。『Q.Bank』には2018年より世界で展開中のICT学習アプリ“ClassPad.net”「数学ツール」で培った知見を投入した。これにより数学の問題の作成・編集が直感的にできる」と説明した。
また㈱Libry代表取締役CEO後藤匠氏は「Q.Bankは、様々な出版社が持ち寄って作られる巨大な問題データベースから、問題を自由に選んで編集が可能。豊富なバリエーションから制度にマッチした問題を選択でき、個別最適な学びと先生の働き方改革を同時に実現した」と強調。
『Q.Bank』は複数の出版社の多種多様な問題を横断して選択・編集し、オリジナルの試験問題や補助教材が作れるプリント作成ツール。2027年3月までに収録される問題は教科書含む200冊以上の教材の問題8万問を超える予定で、その後も継続的に問題が追加される。
学校の先生を始めとしたユーザーは、異なる出版社の問題を組み合わせ、授業のスタイルや生徒にあわせて個別最適化した問題を作れるだけでなく、煩雑なプリント作成業務において時間短縮や効率化が図れる。
また、作成した問題やプリントをアップロードして他のユーザーと共有できる「問題シェア機能」によって、先生同士でノウハウを共有することも可能。
今後は提携する出版社の拡大や、数学だけでなく他科目の問題、来年度から全国学力調査において一部の学年科目で導入される「CBT」に向けた機能の追加など、より一層サービスの向上を目指し順次対応していく。
ICT学習アプリ『ClassPad.net』は、数学ツールとしてリリースし、年間2000万台以上を販売。関数電卓の機能をWEBベースに最適化。2021年国内GIGAスクール構想に対応し大幅機能強化(全教科対応)。2025年4月時点でユーザー数は世界40万人。海外電子教科書等で、採用実績がある。オンライン辞書や数学ツールなどの学習コンテンツとデジタルノート、授業支援の機能を統合し、先生と生徒によるインタラクティブな授業や生徒同士のディスカッションに使え、生徒の思考力の育成や効率的な学びに役立つ。2024年時点で導入校は815校。
㈱Libryは、中高生向けデジタル教材プラットフォーム『Libry』と、教員向けの管理ツール『Libry for Teacher』を提供。全国の高等学校・中学校を中心に約600校(2024年3月現在)で導入さている。
4月開催のEDIX東京と6月開催のEDIX大阪にて、リブリーがデジタル庁DXパビリオン内にブースを出展し、『Q.Bank』を紹介します。
【EDIX東京】
開催日:4月23日(水)~4月25日(金)
開催場所:東京ビッグサイト 南展示棟 〒135-0063 東京都江東区有明3丁目11-1
小間番号:DX-6
【EDIX大阪】
開催日:6月11日(水)~13日(金)
開催場所:インテックス大阪 〒559-0034 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目5-102
小間番号:未定
https://www.edix-expo.jp/tokyo/ja-jp.html
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左)Libry代表取締役CEO後藤匠氏、カシオ計算機㈱教育BU事業部長佐藤智昭氏 |
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『Libryプリント作成ツール Q.Bank』のイメージ画面 |