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キヤノン 長谷川等伯筆 国宝「楓図」の高精細複製品を石川県七尾市に寄贈
2025年09月05日

キヤノン株式会社(以下、キヤノン)と特定非営利活動法人 京都文化協会(以下、京都文化協会)は、「綴プロジェクト」(正式名称:文化財未来継承プロジェクト)の第17期作品として制作した、京都・真言宗智山派 総本山智積院(以下、総本山智積院)所蔵の国宝「楓図」(長谷川等伯筆)の高精細複製品を、能登半島地震の復興支援として、長谷川等伯の生まれ故郷である石川県七尾市に寄贈します。寄贈作品は、石川県七尾美術館での展示のほか、七尾市内の小中学校での訪問授業などで広く活用される予定です。

国宝「楓図」(壁貼付四面)高精細複製品

 「楓図」の高精細複製品をキヤノンのイメージング技術と京都伝統工芸の融合により制作

「楓図」は、金地を背景に、太くスケールの大きい楓の幹と、緑や赤の色鮮やかな楓の葉が描かれ、日本の秋の自然が絢爛(けんらん)豪華かつ抒情(じょじょう)的に表現された、桃山文化を象徴する作品の一つです。息子の長谷川久蔵が描いた「桜図」とともに、金碧障壁画の最高傑作と称され、国宝に指定されています。

綴プロジェクトでは、能登半島地震の復興への願いを込めて、原本所蔵元である総本山智積院の特別協力のもと、本作品の高精細複製品を制作し、長谷川等伯の故郷である石川県七尾市へ寄贈します。

高精細複製品の制作にあたっては、キヤノンのフルサイズミラーレスカメラ「EOS R5」でオリジナルの文化財を撮影し、独自開発のカラーマッチングシステムを用いた画像処理を行った上で、12色の顔料インクを搭載した大判インクジェットプリンターで出力しています。さらに、京都の伝統工芸士が金箔などを用いた装飾を施し、表装を仕立てることで、オリジナルの文化財を限りなく忠実に再現しています。

 

■ 石川県七尾美術館にて寄贈作品を展示

寄贈作品は、2025年9月20日(土)と21(日)午前に、長谷川等伯作品をはじめ、能登にゆかりのある作品を所蔵している石川県七尾美術館のアートホールに展示(※1)されます。この展示では、ガラスケース無しで間近での鑑賞や写真撮影を楽しむことができます。石川県七尾美術館は震災の影響で休館していましたが、9月20日(土)から開催される「長谷川等伯展」に合わせて再開されます(本展有料スペースは撮影禁止)。

 

■ 七尾市内の小中学校で寄贈作品を活用した訪問授業を実施

東京国立博物館が主催する復興支援事業「ひと、能登、アート。」(※2)と連携した活動の一環で、寄贈作品を使用した訪問授業を七尾市内の小中学校で実施します。この訪問授業では、綴プロジェクトで制作された長谷川等伯の代表作「松林図屛風」の高精細複製品と、本寄贈作品を活用した鑑賞授業が行われます。授業を通して、地元の小中学生に地域ゆかりの絵師・長谷川等伯や日本文化に親しむ機会を提供します。寄贈作品は、その後も石川県七尾美術館における企画展での展示や、市内小中学校向け鑑賞活動などで広く活用される予定です。

 

なお、復興支援への想いが込められた今回の制作背景を動画にて公開しましたので、ぜひご覧ください。

「国宝『楓図』 等伯の故郷・石川県七尾の地へ復興の願いをこめて」

 

 

〈「綴プロジェクト」について〉

「綴プロジェクト」は、キヤノンと京都文化協会が2007年より共同で推進している文化支援活動です。日本古来の貴重な文化財には、歴史の中で海外に渡った作品や国宝として大切に保管されている作品など、鑑賞の機会が限られているものが多くあります。「綴プロジェクト」では、キヤノンの入力、画像処理、出力に至るイメージング技術と、京都伝統工芸の匠(たくみ)の技との融合により、オリジナルの文化財を忠実に再現した高精細複製品を制作しています。制作した高精細複製品は、文化財にゆかりのある社寺や自治体、博物館などへ寄贈し、寄贈先での一般公開や学校教育の現場など、さまざまな場面で活用されています。これまでに、葛飾北斎や俵屋宗達、尾形光琳の作品など、60作品を超える高精細複製品を制作しました。

 

詳細は、「綴プロジェクト」のホームページをご参照ください。 https://global.canon/ja/tsuzuri/

 

※1 開館時間や展示場所の詳細については、石川県七尾美術館のホームページをご覧ください。https://nanao-art-museum.jp/

※2 「ひと、能登、アート。」の詳細については、東京国立博物館のお知らせをご覧ください。https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2689