ホーム > オフマガ ニュース一覧 > エプソン販売 BCP策定は進む一方、安否確認や情報集約の遅れが課題に、停電下の紙資料の必要性や業種別課題も明らかに
エプソン販売株式会社(以下、エプソン)は、全国の企業および自治体関係者を対象に、BCP(事業継続計画)対策に関する意識と実態調査を実施しました。本調査では、BCPの策定状況に加え、有事において実際にどのような課題が生じているのかを明らかにし、事業や行政機能を継続するために求められる備えについて分析しました。近年、自然災害や通信障害、サイバーリスクなどリスクが多様化・複雑化する中で、BCP策定は進みつつある一方、有事の現場における運用面では、課題が見られる結果となりました。
BCP策定率は半数を超える一方、約3~4割が業務停止を伴う被害を経験。
有事の困りごとは「従業員の安否確認」が最多。初動段階での情報集約と共有のあり方が、その後の対応に影響する可能性があることがうかがえる。
有事における「紙資料」の必要性は6割超。停電や通信障害などの制約下において、電力・通信に依存しないアナログな出力手段の重要性が浮き彫りに。
約2割がBCP対策に年間1,000万円以上の予算を投入し、実践的な備えが進んでいることが明らかに。
BCPの策定状況について尋ねたところ、半数以上が「策定済み」「策定中」と回答しました。業種別に見ると、「自治体」が80.2%と最も高く、次いで「医療・福祉」が64.3%となりました。一方で、「卸売業・小売業」は37.1%にとどまり、業種によって備えの状況に大きな開きがあることがうかがえます。

また、実際の有事対応について、全体の34.7%が業務停止(操業停止・営業停止)を伴う被害を経験しています 。特に「製造業」では約半数(49.5%)が業務停止を経験しており、BCP策定が進む一方で、実際の有事対応では業務停止を経験した企業も少なくなく、対応の実運用面において課題が残るケースがあることがうかがえます。

業務停止を経験した際、復旧までに要した時間を尋ねたところ、「1日以内」で主要業務が通常通りに再開できたと回答するケースがある一方、47.7%が「数日〜1週間以上」を要した経験があるとわかりました。

こうした復旧の遅れが生じた背景として、過去の有事対応時に困ったことを尋ねたところ、「従業員の安否確認・出勤困難による人手不足」が64.6%で最多となりました 。次いで「顧客対応(37.3%)」「システム・設備・ネットワークなどを使う業務(36.9%)」「商品や資材の不足(32.3%)」が挙げられました。

業種別に見ると、自治体や医療・福祉分野では、人員把握や情報伝達など、初動時の情報共有に関する課題が目立ち、製造業や小売業では、サプライチェーンや製品製造・加工・生産ラインの稼働といった事業基盤に関わる課題が多く見られました。
こうした結果から、初動段階における情報集約のあり方が、その後の対応に影響を与える可能性があることがうかがえます。
次に、有事発生直後の初動対応で重要と考えられている項目では、「従業員の安否確認・出勤状況の把握(64.6%)」が最多となり、次いで「災害情報や状況のリアルタイムでの収集・把握(53.5%)」、「初期指示・指揮系統の発動(45.6%)」が上位に並びました。
これらはいずれも、有事の極めて早い段階で正確な現状を把握し、次の行動を判断するために不可欠なプロセスです。初動段階で必要な情報が十分に共有されない場合、判断の遅れや対応のばらつきを招く恐れがあります。

また、有事対応において重要と考えられている要素としては、「情報伝達ルートの明確化」「リアルタイムでの情報共有」、「訓練・教育の実施」なども挙げられました。

これらの項目は、個々の担当者の対応力だけでなく、組織として情報をどのように集め、共有し、判断につなげるかという仕組みづくりが重要であることを示しています。
本調査の結果から、BCPの策定やマニュアル整備にとどまらず、有事の状況を関係者が同時に把握し、判断を迅速に行える情報共有環境の整備が、事業継続における重要な要素となっていることが示唆されます。
有事対応におけるアナログ情報の役割について尋ねたところ、62.2%が「紙資料が必要な業務がある」と回答しました。業種別では「自治体(67.5%)」が最も高く、教育や医療現場でも高い割合を示しています。

備えておくべき資料としては、「災害時対応マニュアル(57.8%)」や「緊急連絡網(57.4%)」、「事業継続計画書(46.6%)」が上位に挙げられました。停電や通信障害によってデジタル環境へのアクセスが制限される状況において、電力やネットワークに依存せず即座に確認・共有できる「紙」という手段が、初動対応を支えるバックアップとして重要であることがうかがえます。

さらに、有事発生時には、「最新の指示書」や「被害状況報告書」、「緊急会議資料」など、その時点の状況に応じて新たに作成・更新し、印刷が必要となる書類も多く挙げられました。業種別に見ると、自治体では、「最新の指示書」や「被害状況報告書」に加え、「地図・レイアウト図」が39.0%と他業種と比較して高い割合を示しています。刻一刻と変化する現場状況を正確に把握し、住民への避難誘導や救助活動を迅速に行うため、視覚的に情報を共有できる資料を即時に印刷できる環境へのニーズが高いことがうかがえます。

これらの結果は、有事対応において、平時から備えておく紙資料の重要性に加え、停電や通信障害といった制約下でも、必要な情報を即時に出力・共有できる環境が、現場では強く求められていることを示しています。
現在のBCP対策における年間投資額の分布を見ると、1,000万円以上の予算を投じている企業は18.8%(1,000万〜4,999万円:12.4%、5,000万円以上:6.4%)にのぼり、実践的な備えに具体的な投資が行われている実態が明らかになりました。
業種別にみると、製造業は「5,000万円以上(12.0%)」や「1,000万〜4,999万円(18.0%)」といった高額投資を行っている割合が全業種で最も高く、医療・福祉業においては「100万円未満(27.5%)」の回答が多くを占めました。

エプソンはこれまで、有事対応の現場において「情報をどう共有するか」「どう可視化するか」という課題に向き合ってきました。
有事対応では、限られた時間の中で必要な情報を迅速に把握し、関係者間で共有できる環境を整えることが重要です。本調査結果からも、停電や通信障害下では、紙とデジタルを組み合わせた情報共有が初動対応を支えることがわかりました。
エプソンはこれまで、低消費電力で稼働可能な複合機による情報の出力や、すでに導入されているプロジェクターを活用した大画面での情報の可視化を通じて、有事の現場における状況把握や意思決定を支援してきました。また、大判プリンターで地図や配置図、指示書や避難経路図などを大きく出力し、対策本部や現場での共通認識を形成するといった事例もあります。
今後もエプソンは、有事の状況に応じて、既存の設備も含めた印刷・表示環境を活用しながら、紙とデジタルの双方の特性を生かした情報共有環境の整備を通じて、企業・自治体の皆様の有事に強い現場づくりを積極的に支援してまいります。
実施主体:エプソン販売株式会社
調査案件名:BCP対策に関する調査
調査対象:BCP対策に携わる従業員(製造業、卸売業・小売業、教育・学習支援業、医療・福祉、自治体の各200名)計1,000名
調査期間:2025年12月26日~12月31日
調査方法:インターネット調査
また、本ニュースリリースに含まれる調査結果をご掲載いただく際は、以下のクレジットを明記してください。
クレジット:エプソン販売株式会社調べ
以上