ホーム > オフマガ ニュース一覧 > 日本総研 兵庫県芦屋市と単元開発した環境学習プログラムを小学校の探究学習として半年間にわたり実施
株式会社日本総合研究所(本社:東京都品川区、代表取締役社長:内川淳、以下「日本総研」)は、芦屋市教育委員会および芦屋市立岩園小学校(以下「岩園小学校」)と協働し、日々の買い物や暮らしの中での選択を通じて子どもたちの探究力や脱炭素への行動力を育む環境学習プログラム(以下「本プログラム」)の単元開発を行いました。これは、生活者の脱炭素行動変容を促す「みんなで減CO2(ゲンコツ)プロジェクト2026」(注1)における自治体連携の一環で、エコラベル・CFPなどの環境ラベルに関する学習コンテンツを、小学校の正規の授業として展開する初めての取り組みです。
この度、岩園小学校の5年生を対象に、9月に始まる2026年度2学期から、本プログラムを探究学習として本格的に実施することになりましたのでお知らせします。
■背景・目的
2030年度に予定される次期学習指導要領改訂に向けては「主体的・対話的で深い学びの実装」が重要なテーマとして示されており、その中心に探究学習を位置づける方向で議論がなされています。探究学習は総合的な学習の時間に限定せず、さまざまな教科の日常的な授業に取り入れることや、地域・社会とも連携しながら学びを深化させることが期待されています。
日本総研グリーン・マーケティング・ラボでは「みんなで減CO2プロジェクト」を通じて、小学生が身近な家庭や店舗などで実践できる環境ラベルに関する教材を開発し、学習コンテストや出前授業などを通じて子どもからその保護者へと広がる生活者の脱炭素行動変容を促す教育啓発活動を進めてきました。
こうした取り組みが、教職員による探究的な学びの研究推進チーム「ONE STEPpers」を組成する芦屋市教育委員会と、文部科学省「教育課程柔軟化サキドリ研究校事業」の研究校として教科横断・実践型の探究学習に取り組む岩園小学校に評価され、より質の高い脱炭素教育を子どもたちへ提供するために、複数教科の学習要素を横断的に取り入れた新たな探究学習の単元を協働開発することになりました。
■本プログラムの概要
子どもたちが日々の買い物や暮らしの中での選択から気候変動の問題を知り、「作り手・売り手・買い手(使い手)」の観点でそれぞれの役割を学びながら、より良い未来のための行動を自ら考え、提案する力を育むことを目的とした環境学習プログラムです。身近で現実的な問いに対して主体的に関心を持ち探究する「自ら学ぶ学習者」、また、普段の買い物を通じて社会や環境とのつながりを理解して自ら考え、選び、行動する、「行動する消費者」を育むことを狙いとしています。
◆特徴
本プログラムは、総合的な学習の時間と家庭科での授業を組み合わせた教科横断で行うことが特徴です。30コマ以上の授業を約半年間にわたって継続的に実施することで子どもたちの深い学びを促し、学校だけでなく、店舗や家庭でのリアルな学びを通じて社会とつながり、より良い未来のための探究・実践・提案ができる力を育む設計としています。単元は、探究学習塾運営を中心に新しい学びをプロデュースする株式会社a.school(本社:東京都文京区、代表取締役:岩田拓真)の協力を得て、日本総研が提供するコンセプトやコンテンツに岩園小学校教員の専門的な知見・方法論を取り入れることで、子どもたちが本質的な探究学習を実践できることを目指して開発しました。
具体的には、日本総研が企画運営するチャレンジ・カーボンニュートラル・コンソーシアム(以下「CCNC」、注2)に参画する小売企業やメーカーの協力を得て、食品スーパーやドラッグストア、菓子・日用品・文具などの小学生にとって身近なものを題材にすることで学びへの興味・関心を喚起し、学校での学びを家庭や暮らしに還元できるようにしています。また、授業の中でCCNC参画企業から子どもたちに向けたレクチャーに加えて、子どもたちからCCNC参画企業にインタビューやプレゼンテーションを行う機会も設けることで、子どもたちと企業が互いに気づきを得て、脱炭素行動の学びを深める場をつくります。
授業で使用する教材(抜粋)
◆テーマ:くらしの選択が未来をつくる~買い物からはじめる、わたしたちの減CO2アクション~
◆主な対象学年:小学4~6年生 ※岩園小学校では5年生の授業で実施します
◆全体構成と探究テーマ:
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フェーズ |
コマ数 |
授業 |
探究テーマ |
位置づけ |
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第0フェーズ (1学期末~夏休み) |
1コマ |
家庭 |
くらし探検隊!(準備編)〜日々の買い物、何を見て、どう選んでいる?〜 |
2学期の探究に向けて、自分たちの生活の中で素材を集める準備期間。夏休み中に商品パッケージ、お店の売り場、家族の買い物行動などを観察・インタビューし、「買い物はさまざまな基準に基づく選択である」ことに気づく。 |
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第1フェーズ (2学期) |
4コマ |
総合 |
みらい想像団!〜地球温暖化で、わたしたちの未来はどう変わる?〜 |
地球温暖化や気候変動が食、天気、地域の暮らしなど、自分たちの未来にどのような影響を与えるのかを知り、「本当にそうなるのか」「自分たちに何ができるのか」という問いを立てながら、CO2削減について考える入り口をつくる。 |
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第2フェーズ (2学期) |
4コマ |
家庭 |
くらし探検隊!〜わたしたちの買い物は、未来とどうつながっている?〜 |
自分たちや家族の買い物を見つめ直し、商品選択・エコラベル・企業の工夫・CO2や環境負荷とのつながりを自分ごととして捉える。買い物を入り口に、社会や環境の課題を身近な問いとして考える。 |
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第3フェーズ (2学期) |
12コマ |
総合 |
なりきり店長!〜環境負荷の低い商品の売上を増やすには?〜 |
お店や企業の立場で、環境によい商品が選ばれにくい理由を多面的に考える。売り場・POP・キャンペーン・伝え方などの工夫を構想し、よりよい選択を広げるための提案につなげる。 |
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第4フェーズ (3学期) |
8~10 |
総合 |
マイ減CO2プロジェクトに挑戦!〜くらしの中から、自分の問いとアクションを見つけよう〜 |
2学期までの学習を踏まえ、食、電気、水、ごみ、移動、リユースなど、暮らしの中のさまざまな減CO2行動へ視野を広げる。一人ひとり自分の関心に基づいて問いを立て、調べる・試す・伝える活動を通じて個人の探究を深める。 |
■今後の展望
日本総研は、芦屋市教育委員会とともに岩園小学校での授業の成果を公民連携による脱炭素探究学習プログラムの「芦屋モデル」としてとりまとめ、報告する予定です。そして、「芦屋モデル」を芦屋市内の他の小学校だけでなく、全国の小学校にも広く発信・展開することで、脱炭素という社会課題を題材に子どもたちが主体的に学び、家庭や地域へと学びを広げる探究学習の実践モデルとして確立し、次期学習指導要領が目指す教科横断的・実践的な学びの普及に貢献することを目指します。
■「Ashiya Education Day in autumn」で公開授業を実施
芦屋市教育委員会は、行政、保護者、地域と学校関係者が芦屋の教育について幅広く意見を聴き合うことにより、互いの教育観を磨き豊かにしていくことを目的として、「Ashiya Education Day in autumn」を開催します。
Day1(2026年9月5日)では「多様性の包摂と教育」をテーマにパネルディスカッションを実施します。また、教育委員会や教職員を対象としたDay2(2026年10月7日)では、実際に岩園小学校における本プログラムの公開授業をご覧いただけます。公開授業の後には、本プログラム開発に関わった芦屋市教育委員会と岩園小学校の教諭によるパネルディスカッションや、視察来場者を含めたグループ討議を行う予定です。詳細は、以下の芦屋市教育委員会のホームページをご覧ください。
https://www.city.ashiya.lg.jp/gakkoukyouiku/gakkou/ashiyaeducationdayinautumn.html
(注1)「教育啓発と販促購買で生活者の脱炭素行動変容を促す『みんなで減CO2(ゲンコツ)プロジェクト2026』全国16自治体・団体および民間企業21社との公民連携で始動~小学生向け環境学習コンテスト『エコラベルハンター 1.5℃大作戦』応募受付を開始~」(日本総研ニュースリリース/2026年6月1日)
https://www.jri.co.jp/company/release/2026/0601/
(注2)生活者の脱炭素に係る意識・行動変容を促すことで、企業の脱炭素の取り組みを加速化させ、脱炭素社会を構築することを目的に2023年9月5日に設立。参画企業の一覧や活動内容の詳細は下記URLをご覧ください。
◆チャレンジ・カーボンニュートラル・コンソーシアム特設ウェブサイト
https://www.greenmarketing-lab.com/ccnc/index.html
以上