ホーム > 新製品情報・特集 > セイコーエプソン 低ノイズ・小型3軸加速度センサー『M-A370AD10』を量産開始
セイコーエプソン株式会社 (以下 エプソン) は、自然災害の増加やインフラの老朽化といった社会課題の解決に対応する最適なデバイスとして、低ノイズ・小型3軸加速度センサー『M-A370AD10』を開発しました。本製品は地震観測や常時微動計測、インフラ老朽化監視のための極めて高精度なデータを提供し、早期の異常検知と迅速な対応を可能にします。また、この製品を組み込んだシステムの信頼性を大幅に向上させることができます。
本製品は2025年7月より量産開始を予定しています。
加速度センサー『M-A370AD10』
『M-A370AD10』は、エプソン独自の微細加工技術*1を用いた水晶加速度センサー素子とデジタル
IP技術*2により、USGS-New High Noise Model*3を下回る低ノイズ性能を達成しました。また、高いバイアス安定性と広いダイナミックレンジを実現し、人体では感じることができない極微小地震計測や、常時微動を利用した地盤構造探査、建設物の長期的な傾き監視に優れています。
さらに、本製品は低パワーかつデジタル出力により、従来のアナログ出力センサーでは大掛かりであった計測システムをシンプルに構築することが可能です。エプソンは組み込み可能な加速度センサーのラインアップ拡充によりデジタル化を加速し、システムの信頼性を高め、自然災害やインフラ老朽化からのリスクを抑えた安心・安全な社会インフラの維持に貢献します。
*1 水晶を微細加工することで、水晶振動子による加速度検出を実現する技術
*2 周波数を高速・高精度に検出するデジタル回路技術
*3 アメリカ地質調査所(USGS)が定めた、地震計が記録するデータ品質を評価するための基準
■本製品『M-A370AD10』の特長
・低ノイズ特性 0.02µG/√Hz (1Hz ~ 10Hz) を実現
・高バイアス安定性 ±0.5mG (-30℃ ~ 85℃)、±0.1mG (1年、25℃の環境下) を実現
・高ダイナミックレンジ ±10G を実現
・DC*4から高感度に検出可能 振幅応答 ±0.4dB を実現
・安定した位相特性 位相応答 ±0.1° を実現
・低パワー駆動 3.3V とA/Dコンバーター内蔵によりシンプルな組み込みシステム構築が可能
・外部トリガーによる複数ノード同期*5、1PPS信号*6によるGNSS*7同期機能を実装
・感度自己診断テスト機能を実装
・高い信頼性 MTTF(*8) 87,600時間 (約10年) を保証
・既存製品「M-A352AD10」との互換性を確保
*4 Direct Currentの略。直流。
*5 同じタイミングで、複数のセンサーからデータを取得すること
*6 GPS受信機などから出力される1秒間隔のパルス信号のこと
*7 Global Navigation Satellite Systemの略。全地球測位衛星システム
*8 Mean Time To Failure(平均故障寿命)の略。製品が故障するまでの平均時間
本製品『M-A370AD10』と既存製品「M-A352AD10」のノイズ特性比較
■本製品のアプリケーション
地震観測、資源探査、常時微動探査、地下構造探査、傾斜計測、建設物ヘルスモニタリング、
振動解析・制御・安定化など
【関連リンク】
製品の詳細情報は下記ウェブページをご参照ください。
www.epson.jp/prod/sensing_system/
【お客さまのお問い合わせ窓口】
セイコーエプソン株式会社 MD営業部 MDプロダクトマーケティンググループ
www.epson.jp/prod/sensing_system/contact/
【各種詳細な資料】
エプソンの加速度センサーについて、概要や比較の仕方をまとめた資料がダウンロードできます。
お気軽にお申し込みください。
https://www.epson.jp/prod/sensing_system/offer/#ac06
■展示会出展について
エプソンは、2025年5月25日(日)~ 5月30日(金)に幕張メッセで開催される「Japan
Geoscience Union Meeting 2025」に出展します。新製品のブース展示・ポスター発表を予定しておりますので、ぜひエプソンブースへご来場ください。
【展示会リンク】
Japan Geoscience Union Meeting 2025
https://www.jpgu.org/meeting_j2025/
■本製品と既存製品の仕様比較