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万年筆・紙の専門店 アサヒヤ紙文具店
2023年08月05日

創業92年を迎えた有限会社アサヒヤ紙文具店(東京都大田区久が原3―37―2)は、閑静な住宅街の駅前商店街で三代に渡り続く店。

2008年には地域密着の老舗文具店からリニュアルし万年筆・紙の専門店へと大きく方向転換した。今では国内だけでなく、海外からも万年筆好きのお客様が訪れる。

このリニュアルは三代目店主の萩原康一さんと萩原秀美さんのこだわりが詰まっている。

店主の萩原さんは家業を継ぐ前、OA機器メーカーに勤務。「両親がこれからは納品業務も増やしていき、いずれは店売りと外商の二つの柱でやっていこう」と考え、息子に営業手法の勉強させたかったのだという。

しかし家に戻る前にトナーなども明日には届けてくれる通販が出来た。こんな事では家業の文具店に戻ったとしても敵わない。そこで店は価格競争に巻き込まれない、パーソナル文具に特化した商品を揃えた。しかし何十種類もカラー展開するファイルなどを揃えても、お客様はいつでも買えると思うと欲しい色が決まらぬまま帰ってしまう。

そこで老舗満寿屋の原稿用紙、まだ流行していなかったシーリングワックスを販売したが、来店者は触るだけで、なかなか購入には結びつかない。逆にネット販売だけにしてみると、愛好者や書くことにこだわる方にささり売れたという。ネットのお客様が来店すると、目的の商品が無く、店を一回りして出てしまう。店名を確認してから戻り『この商品を買いに来たんですけど』というケースが徐々に増えてきた。

それならと、ネットで販売する商品と店頭で扱う商品を同じにしようと、2008年に店をリニュアル。店にはパイロットの万年筆を中心に並べ、Namikiシリーズも揃えた。

2013年頃には、一本、一本丁寧な対応が評判になり、海外のお客様が『自分用に』と、来店が増えた。中には自分の万年筆コレクション持ち込み見せながら雑談したり、コロナ前までは順調に客足を伸ばしていたという。

萩原秀美さんは「コロナ禍で海外からお客様が来店できなくなりましたが、5類移行で『コロナが落ち着いたら必ず行きます』と言うお客様が、ここのところ来店してくれます。最近またインバウンドの方が戻ってきました」と話す。

同店の営業は金・土のみ、あとはネット販売の発送業務。そのため来店は予約制で万年筆を買いに来る海外旅行客は、事前に滞在期間と気になる商品をメールで伝えてくれる。ほとんどが予約だが、たまに飛び込みの来店する方も。中には携帯の翻訳機を使って、自分の欲しい商品を伝えてくる人もいる。

また同店のある大田区は工場地帯でもあり、中小企業支援にも力を入れている。その拠点となるのが大田区産業プラザPIO。ここの声掛けで六月から大田区のメタバース上ショッピングモール「PiOモール」の仮想店舗にも文具店として出店した。メタバース空間ではアバターを使用して各店舗・商品を見て回れる。それぞれの店舗では、個性的な商品と特徴やこだわりが感じ取れるつくりとなっていて、リンクされている各店舗のECサイトで買い物をすることができる。また、チャットや音声会話機能もあり、アバター同士での会話・交流も可能。アプリなどのダウンロードは不要で、パソコンやスマートフォンのブラウザからすぐアクセスが可能。VRギアにも対応している。

ほかにも大田区産業プラザPIOは、新規実店舗の立ち上げの際、看板、内装、経営の相談。新規店舗の立ち上げを考える人を集めたバスツアーなども行い、実際の店を訪問し、気になる事など話を聞き起業する支援も行う。さらにデザイン、翻訳サービスもあり海外イベントに参加するための製品マニュアルの書類作成や翻訳者の同行もリーズナブルな料金で行ってくれる。

今回のメタバース上ショッピングモールも若い起業家と地域商店街をマッチングさせ実現したもの。

店主の萩原さんは「我々がこんな加工をしたいとか、製造に関すことを相談すると、業者を紹介してくれます。新製品を作りたい、起業したいなど新しい事にチャレンジしたい時に助けくれる。やりたい事が形にでき、それが地域の産業の活性化に繋がる」と話す。

同店でもマッチングを活用しペンケースやノートなどのオリジナル商品を開発した。「これからも、新たな事に挑戦し、お客さんに喜んでもらえ、売上の柱となるこだわりの商品を増やしていければ」と店主の萩原さんは意欲をみせた。

<有限会社 アサヒヤ紙文具店>

〒146-0085 東京都大田区久が原3-37-2

定休日: 水曜日  

店頭営業日: 金・土曜日      

営業時間: 12:00~17:00

* 発送やインターネット業務は、定休日を除き毎日営業しています
https://www.asahiyakami.co.jp/

メタバース空間「PiOモール」
https://door.ntt/ZQN8jAW/overjoyed-superb-realm
 

創業92年を迎えた有限会社アサヒヤ紙文具店(東京都大田区久が原3―37―2)
創業92年を迎えた有限会社アサヒヤ紙文具店(東京都大田区久が原3―37―2)
丁寧な接客
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万年筆
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Namikiシリーズ
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アサヒヤ紙文具店オリジナル クイールノート
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老舗満寿屋の原稿用紙を販売
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